2024年3月17日(日)の日本時間13:00(ブラジル時間1:00)より≪第3回 エッセイリレー その話、もっと聞きたい! オンライン・イベント≫を開催しました。登壇してくださったのは、去年の1月に「旅先で見知らずの他人を信用するんか⁉︎」というタイトルで自転車での世界一周という驚きの旅のエッセイを送ってくださった32期生の木村悠生さん。登壇をお願いするにあたっては、日本の真裏の南米を野宿したりしながら旅していらっしゃるという事情から、イベントの日にzoomで確実に繋がれるのか、時差は大丈夫かなどの不安要素がありましたが、木村さんが「イベントの日はWi-Fiが安定して繋がる場所に投宿するようにします!」と言ってくださって実現することになりました。

コロンビア、ホステルの前で記念撮影

 

真っ黒に日焼けした木村さんは底抜けに明るく、普通の人なら心が折れてしまうようなさまざまな困難に直面しても、その時に手を差し伸べてくれた人々に感謝しながら、その困難苦難を乗り越えてというか、その困難すら楽しみながら、旅を続けていらっしゃいました。

              これまでの移動ルート

 

木村さんは大学卒業後、教師の職に就き、貯金を続け、さあ世界一周の自転車一人旅に出るぞ!というタイミングでコロナ禍発生となり、日本を出ることができなくなってしまいました。かたや、その時には既に教師を辞めてしまっていたので、Uber eatsの配達員をしながら日本全国をまわり、世界一周に備えたそうです。コロナが収束し、満を持して世界一周の旅に出発しますが、いろんなことが起こります。

           エクアドル、アンデス山脈を走る

 

たとえば、北米を北上して北極海を目指して車も家も店も川(水を濾過して飲む)も全く無い道を進んでいた時、体調を崩し、持っていた水が残り少なくなってしまい、具合がどんどん悪くなり、水の残量がかなり不安な状態で、その時奇跡的に通りかかったトラックの運転手が何も言わずに水のペットボトルを差し出してくれて感激のあまり号泣したエピソード。自転車、パソコン、パスポート、クレジットカードを含む全ての荷物を盗まれ困っていた時、家に泊めてくれる人に出会い、その人の助けで盗まれたパソコンの位置情報がわかり、警察に頼んでその場所を捜索してもらったら、パソコンだけでなく、自転車も見つかり、再び旅が続けられる!と大喜びしたというエピソード。足が原因不明でパンパンに腫れて旅が続けられなくなってしまい、地元の医者に行ったが言葉が通じず門前払いされたり、別の病院ではスペイン語で色々説明されて理解できずに宿で困っていたら、その宿に泊まっていた人が足に注射を打ってくれた上に薬局にも連れて行ってくれたお陰で足が治り、また旅を続けられるようになった等々、びっくりのエピソードを沢山お話しして頂きました。

ブラジル、アマゾンで釣り

 

そんなことがあったなら、もう旅を続けるのはやめようと思わないのか、何が木村さんを旅に駆り立てるのかと質問してみました。すると木村さんは、旅をやめたいと思ったことはなく、色々起こるトラブルや困難よりも、旅で得られる感動の方が圧倒的に上回っているからとの即答でした。自転車で世界一周することは子どものころからの木村さんの夢であり、今はまさにその夢を実現している真っ只中で、ひとり旅を本当に楽しんでいらっしゃるのが伝わって来ました。木村さんの旅はYouTube (Yuchari Diary)で配信されています。まだまだ続く木村さんのひとり旅、YouTubeを見て応援したいと思います。

                  ブラジル、大西洋と共に