えりからバトンをもらったたみよです。遅くなってごめんなさい!
さて私は、寮での生活や、この学校って面白いなと思ったことを振り返ってみようと思います。
私は、関西の、単線電車が走る田舎で育ちました。ICUHSは、幼なじみのよっちゃんが受けるというので一緒に受験しました。そうやって親元を離れてこの学校に来たのも、巡り合わせだなあと思います。
寮の初日。「どこにいたの?」の問いに「サンフランシスコ」、「シカゴ」、「ロンドンだよー」「ジャカルタ」などなど、世界各地の名がくるかっこよさよ!ヘルシーな、ピアスやウエーブヘア姿のかわいさよ!地方素朴学生(私)は、「わあ」ってなりました。そして学校が始まり驚いたのは、外国語ペラペラのみんなに、どうやら「ペラ」や「ペラペラ」や「ペラペラペラ」(L3~L1)が存在するらしいということ。えっ!ペラペラに種類があるの?海外にいた時期や年数や現地校かなどによってそりゃあ違うでしょ、という当たり前のことにも、そっか~と感嘆しました。
さて、寮は校舎の目の前。私は陸上部だったので、部活が終わるとそのまま食堂に行き、晩ご飯を食べ、徒歩1分で寮に帰る。お風呂や洗濯の予約表に名前を書き、1階でテレビを見たり、どこかの部屋に何人か集まると、他愛もない話で延々笑って、森永チョコフレーク1袋があっというまになくなる。例えばいずPが、イノックス先生の「Um…」の一言を真似するだけなんだけど、これがなぜだか永遠に笑える(誤解なきよう、皆イノックス先生大好きです!いずPが面白いだけ)。テレビは、みんなでBillboard TOP 40見てたなあ。相撲を愛するあっこ先輩は、場所中熱心に見てたし、テニス好きは夜中にウインブルドンを見てた。私はその隣で、夜食だと言って食パンにマヨネーズを塗って焼いて食べてた。恐ろしや。親元を離れていた我々にとって、家族からの手紙や宅配はとても楽しみで、下駄箱の脇に宅配があるとまず自分宛かチェックし、誰かの宅配でも、開封時にはみんなで覗き込んで盛り上がった。特にうわの宅配便は、うわが週末に帰って自宅で焼いたケーキやクッキーなど美味しいものが詰まってた。ちなみにうちの母は、「入れてくれてたつぶつぶいちごポッキー美味しかったよ!みんなも言ってたよ」と言うと、「あれ新発売やで」と言って何度もダース(12箱)単位で送ってくれた。それ使ってみんなで鼻つまんで目つぶってチョコ味といちご味とつぶつぶいちご味を当てる、効きポッキー対決したよね。今でも思い浮かぶのは、みんなの、パジャマで、分厚い眼鏡かけて、前髪をちょんまげ括りして歯磨きしてる姿だったりします。
私は陸上部でしたが、1期上(12期)の先輩たちはとても仲が良く、そのいい空気感に我々の代も入れてもらって、部活は楽しかった。副顧問の田村先生は、「やだもー」「やん」「うれぴー」とかばかり言っていたが、我々の面倒をたくさん見てくれた。週初めに和田パピにメニューをもらいに行くのだけど、恐怖の「400m×20本インターバルトレーニング」が入っていないか、いつもドキドキした。たまに現れるこのメニューは本当にきつくて、えりやあっこや優子(そして桃子先輩やあや!)と一緒に半泣きになるのだけど、やれば格段に身体が変わる。夕暮れどき、サッカー部とシェアしてるグランドに、マネージャーのあみちゃんや直子が読み上げてくれる「1分42、43、44、45・・・」というラップタイムと先輩の「ラスト1本ー!」という掛け声が響きわたって、あの光景や大会や合宿は、青春、といっていいのではなかろうか。
思い出といえば、3年生のとき、関西女子勢が幾人かいるということで、なぜか学園祭でひっそり漫才をやろうと思い立ち、関西勢のみならず、我が1組のエバミホや由美子たちを巻き込んで、2日間、日替わりで組み合わせも内容も変えて、各自ネタを作って漫才やコントをやった。そしたら思いがけず、立派な背景画の松をえりかやりりたちが描いてくれたり、みんなが手伝ってくれたり、前日にリハーサルを職員室で見てた周ちゃんや星野先生が笑ってくれたり、当日鳥居先生がビデオ撮ってくれたりしたんだよなあ。恥ずかしいあれを、どうしてやろうと思ったんだろう。不思議だ。
ICUHSにはいろんな面白い人や先生がいて、そんな人たちとたくさん出会えたのは、幸運だったなあと思います。
私が高校入学前、英語を頑張った理由は、中学1年のときにMJ(永遠のPOP STAR、マイケルですね。)の虜になったから。将来どうやってMJの役に立つ仕事に就くか、日々、真剣に妄想してた。でもMJが16歳年上だったからか、周囲にMJ愛を語り合える友人はおらず、孤高の愛を貫いていたところ、なんと同じ寮に、「スリラーのMVの女優さんの代役がいつ来てもいいように、英語のセリフを全て暗記している」という、私以上に変わったMJ好きがいたのです。それがあみちゃんだったのです。あみちゃんは、九州から来た一般生で、あの時代に中学生で海外からティーン雑誌を定期取り寄せする海外アイドル・バンドオタクで、それが高じて英語をやるあまり、一般生で3年間L3に在籍し続けた、変わった女の子なのです。かわいらしい顔立ちでヘビメタを聴き、年中ROCK-Tシャツを着て、蛍光色の魚型ペンケースを持ち歩き、ビスコを食べているのです。インドアなはずのあみちゃんが、理由はわからないけど陸上部のマネージャーになってくれて、そのおかげで寮でも部活でも一緒に過ごす親友になったのです。ほかにも寮の同室のゆっこちゃんとか、書ききれないのでやめておくけど、寮のメンバーや、陸上部のメンバー、クラスの子たち、みんな個性と多様なバックグラウンドがあり、面白いのです。私に文才があれば、椎名誠さんのように、私のこの華やかさはないけど愛おしい日々を、書き連ねるのに。そして卒業後ずいぶんたった今、みんな、いろんな人生を歩んでいて、もっと面白くなっているのです。どんなに久しぶりでも、会えば一瞬であの頃に戻る。その上、在学中には接点がなかった子たちともつながったりして、同窓って面白い。
 さて、まとまらないけどこの辺にして、次にバトンを渡します。あみちゃんよろしくね。