大親友・田辺葵からバトンを受け取って、「私とBUMP OF CHICKEN」というタイトルでエッセイをお届けさせていただく。このタイトルを見て、驚く同級生も居るかもしれない。「あいつ、まだBUMP OF CHICKEN好きなの?」と。まだ好きだし、愛は深まる一方だ。既婚なのに、内心はボーカル・ギターの藤原基央のことを伴侶だと思っている。
バンプに出会ったのは、ベルギーに住んでいた中学時代の初期のこと。ある日、日本の音楽ウェブサイトの試聴ページで私の目と耳に飛び込んできたのが、BUMP OF CHICKEN「カルマ」だった。力強い音、歌詞に歌声。すべてが私の心に響いた。バンプのことは音楽番組のランキングで何度か見かけていたが、真の意味で出会ったのは「カルマ」を聴いたあの時だ。他の曲も聴き始め、当時、慣れない外国で孤独を感じていた私は、バンプの真っ直ぐな音楽に勇気づけられるようになった。本当に幸運な出会いであった。
それから15年以上(人生の半分以上)、バンプはいつでも側に居てくれた。ずっと変わらず私のことを支えてくれた。私にとって、家族のような存在だ。曲を聴いてもらえたら伝わってくると思うが、私がバンプから、藤原基央から教わったことは、誠実さ、素直さ、そしてバンプの曲に通奏低音として流れる切なさ……挙げだすとキリがない。どんなに力が出ないときも、絶望しそうなときも、バンプを聴けば私は何度でも蘇った。彼らの音楽を原動力に、なんでも乗り越えてこられた。
一番好きな歌詞は「HAPPY」の「消えない悲しみがあるなら 生き続ける意味だってあるだろう」、私の座右の銘である。この曲は、私が初めて行ったライブで宇宙初公開されたので思い入れがある。ライブも今まで15回以上行って、毎回本当に元気をもらっている。いつも側に居るけれど、やはり同じ空間で過ごす時はかけがえない。ライブは「一対一」だとメンバーが言っているように、そこに居るバンプと向き合い、「どうせいつか終わる旅を」ともに歌う。バンプと同じ時代を生きられることに感謝している。
推しとか癒しではない。バンプこそが生きる意味だ。藤原基央、増川弘明、升秀夫、直井由文の4人が居れば、私は生きていける。今年2月11日、結成27周年記念日から、彼らは久しぶりのアリーナツアーを回り始めた。何よりの喜びである。そしてツアーの最終日は私の30歳の誕生日。最高だ。チケットを当てたので、這ってでも行く。