私の30年間の銀行員生活

 

ICUHS3期の堀江昭二です。

24年8月時点で3期のエッセーリレーへの投稿がなく、ゼロで終わるのは寂しいので、エッセーを書きました。

私は約30年間、三菱UFJ銀行で勤務し、読者の中には銀行業務に興味がある方もいるかと思い、簡単に私の銀行で所属した部署や担当した業務の内容のエッセーにしましたので、興味がありましたら、お読みください。

私は1987年に三菱銀行に入社し、

1987-1991:銀座支店に配属になりました。
まずは国内の預金入金、振込処理事務や海外送金・輸出入などの業務を担当。
2年目には法人への貸出を担当。先輩と2人で約80社を担当し、先輩は外訪、私は支店内で来客対応や貸出稟議書の作成などを担当。3年目からは後輩とペアを組んで、私が外訪を担当。
当時はバブル経済で、借入需要が多く、夜の10時頃まで残業する日が多かったです。
私が銀行で国内支店に勤務したのは、銀座支店が最初で最後でした。

1991-1996 :ロンドン支店で為替ディーリングを担当
私はドル・¥や欧州通貨の為替レートが上がるか下がるかを推測して、収益目標を達成すべく、毎日数百万ドルを買ったり、売ったりしていましたが、なかなか大儲けはできませんでした。
相場が上がるか、下がるかは、長期的にはその通貨の経済や金利動向などの動向が影響しますが、短気的には需給で決まります。その通貨を買う人が多ければ上昇し、少なければ下落します。
そして、ディーリングは、コンピューターゲームのようでもあり、取引相手の顔を見ることもあまりなく、社会の為になっているのかの実感がつかみにくい業務でもあり、私にはあまり向いていないと思いました。

1996-1999:東京三菱銀行 資本市場部
日本に帰国し、海外の銀行などが日本で円建ての社債を発行する時の、債権者の社債管理会社の業務、およびアジア通貨危機が発生したので、アジアの政府系金融機関へのシンジケート・ローンのアレンジなどを担当しました。アジア通貨危機前は、なかなかローンの成果がありませんでしたが、危機が発生したら、アジアは資金不足になり、急にアジアの政府系金融機関から歓迎されるようになりましたのが印象深いです。

1999-2002:東京三菱証券 IRコンサルティング
IRコンサルティングとは、企業にインベスターリレーションズ(投資家向け広報活動)のコンサルティングを行う業務で、いかにその会社が今後成長する(=株価が上昇する)可能性があるかを投資家に納得しやすいストーリーを、取引先と一緒につくっていく仕事です。
契約した取引先の決算説明会や、機関投資家との面談のアレンジ、説明資料の作成などを行い、株式市場への理解が深まりました。

2002-2007:MUFG 財務企画部
三菱UFJ銀行の持株会社で、英語の法定開示資料の作成、株式や社債の発行などを担当しました。この時が銀行員時代で一番忙しく、よく深夜にタクシーで帰宅していました。
株式発行の準備は対外秘なので、妻には浮気しているのではないかと疑われたこともありました。

2007-2010:三菱UFJ銀行 国際コンプライアンス部
三菱UFJ銀行は、米国当局からアンチマネーロンダリング違反や米国経済制裁への対応が不十分との指摘を受けたので、私は、それらに関する、取引モニタリングシステムを海外拠点に導入するプロジェクトを担当しました。毎月欧州に出張し、フライトはビジネスクラスだったので、この時期にJALとANAのマイレージを沢山獲得しました。

2010-2015:三菱UFJ銀行 シンガポール アジアコンプライアンス室
シンガポールに転勤になり、銀行の東南アジアなどの支店が法令や社内ルールを遵守しているかを定期的に訪問して確認・指導する業務を担当しました。タイ、マレーシア、インドネシア、ミャンマー、フィリピン、バングラデシュ、インド、パキスタンなどを担当し、シンガポール人の同僚と定期的に出張していました。週末は長男とソフトボールチームに入って楽しみました。

2015-2018:タイ アユタヤ銀行(三菱UFJ銀行の子会社) コンプライアンス部
タイの子会社で、アンチマネーロンダリング、経済制裁対応に関する三菱UFJ銀行のルールの導入を担当しました。英語を話せるタイ人が少なく、タイ語は難しく、仕事のコミュニケーションには苦労しましたが、とても明るい職場でした。一時ゴルフに熱中しましたが、あまり上達しなかったので、週末は主に卓球やソフトボールを楽しみました。

2018年に帰国し、2019年より取引先の富士通ゼネラル(エアコン製造会社)でリスク管理を担当しています。最初は出向扱いでしたが、6か月経過後、銀行を退職し、同社に入社しました。
なお、エアコンの購入をされる方がいましたら、狭い場所にも収まるいい小型の製品などがありますので、ぜひ富士通ゼネラルをご検討ください。

堀江昭二より