在学中から将棋仲間として仲の良かった山口さんからエッセイリレーのお声かけを頂きました、22期の河野正明です。スイスの中学校を卒業した後、1年の途中から編入してきました。途中からでしたが同級生の皆さんは快く受け入れてくれ、高校生活は楽しく充実していて、そしてあっという間に過ぎ去ったことを覚えています。
放課後に同級生とバスケをしたり、当時のガールフレンドと学園祭を回ったり、体育祭でクラスの皆と優勝に向けて全力を尽くしたり、まさに高校生活は私の青春の全てでした(※)。
唯一の後悔はキリスト教概論の授業をもっと真面目に受けておけば良かったということで、最近は改めて聖書を読み返したりしています。
高校卒業後は日本の大学に進学し、そこでもICU高校に負けず個性的な友人に恵まれました。大学卒業後は日本の金融機関に就職し、当初こそ超体育会系な社風に逆カルチャーショックを受けましたが、海外勤務を通じて広い世界を見ることができました。
振り返ると、(中嶌先生の政経倫理の授業に顕著でしたが)ICU高校では多様な価値観が存在する世界の中で自分の頭で考えることの重要性を学ぶことができました。思うに日本社会では単一的な価値観の中で思考停止している人間が大多数ですが、それに負けない力をICU高校の教育は生徒に与えてくれたと思います。
(※)この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。