42期の芦澤柊人と申します。私は現在ICU高校の女子サッカー部のコーチを担当していて、その顧問からの依頼により42期のエッセイリレーを始めたいと思っています。まだ卒業して間もないですが(といっても1年ほど経っていますが)、少しだけ近況報告と最近思っていること、そして最後にICU高校と同期に感謝を告げて終わりたいと思っています。
本文を執筆しているのが大学に入学してから丁度1年ほど経った頃なのですが、大学生1年目は濃くて忘れ難い1年でした。正直学問に励んだという印象はないのですが、何よりも部活に無我夢中になっています。私は長年サッカーを続けてきましたが、実は部活としてサッカーをしたことが一度もありません。よって現在はマネージャーや監督、スポンサーの方々など様々な人たちに支えられながらも仲間と一つの目標に向かって共に戦うことに対して喜びと情熱を感じています。大学2年生を迎える目前、今年はもう少し学問に打ち込もうかなと思っているところです。
話は変わりますが、最近はぼーっとしてしまう、もそうなのですが、自ら好んでぼーっとしています。私はせっかちな性格で一刻の時間も無駄にしたくないなので、隙間時間や移動時間を何かに費やそうと心掛けてしまいます。それに加えて大学に入学してから考えることが倍増すると、脳のキャパシティが黄色信号を出してしまいます。(まだ赤信号ではないのでギリギリ大丈夫です)。つまり心を休める時間が不足しているのです。身体を休める時間はいくらでもあります。映画鑑賞や読書など趣味に費やす時間はたくさんあります。でもそれだけではどうしても心が浄化されません。従って最近は腕を組んで部屋の白い壁を見つめたり、外の景色を眺める時間が楽しく感じてしまいます。また待ち時間も全く苦にならないのです。家の鍵を忘れて外出してしまい、戻ったころには家の鍵がかかって2時間くらい家に入れなかった時があったのですが、近くの野川を見つめてたらあっという間に時間が経過していました。要するに、ここで言いたいことは携帯電話の使用時間が増えたり、「今できることは」と自問しがちな現在の若者は、たまにはぼーっとして空気を吸い込み、脳と精神をリフレッシュする時間をつくってみてもいいのではないかということです。
最後に、ICU高校と同期は現在の私を形作った欠かせない存在です。勉強に対する意欲、多様な人を受け入れる寛容性、社会に対する認識が変わったのは全て高校時代です。私はこの3年間を通じて大人になる大きな一歩を踏んだと思っています。これからもICU高校との縁は途切れずに、どこかでまた巡り合うでしょう。同期にも定期的に会い、「あの頃はな~」と数十年後にも談笑できる仲でいたいです。