ICU高校38回卒業式 先生方からのコメント
石渡春樹先生(国語科)に伺いました。
Q.1. ICU高校での40年間の教員生活を一言で言うと?
「異世界」とでも戯画的に表現するしかないでしょう。私生活では日本的な普通の生活をしているつもりです。教員としてICUHSに一歩入るといつも別世界が待っていました。そこで過ごす時間の中では通常の自分をセーブすることで精一杯だった気がします。この学校は何処にも無い特殊なテンションを持っていて、外見からはよく言われる「グローバルな雰囲気」とは多少違うのです。「帰国生パッション」とでも言いましょうか、大きな渦が渦巻いていて、渦から脱して帰宅するとどっと疲れが出る毎日を繰り返していました。想定外のことが次々と起きて新鮮な毎日だと考えれば楽しそうですが、苦労も多くひたすら忍耐を心がけていた気がします。この渦の元は帰国生だけが原因ではなく、集まってきた生徒の多様な期待の全てと、対する教職員、御父母の皆様、周辺社会の要請など全部が関わってあのハビタットが創出されたのだと思っています。
Q.2. 一番の思い出について教えてください。
一番の思い出は卒業生との再会です。国内で同窓生の会に呼んで下さった時もですが、海外の学校説明会に参加した時のことです。その夜の懇親会で、現地に赴任している卒業生が集まって下さり、それぞれの方とお話しをし、卒業後のご苦労と現在の人生を拝見させて頂き、その原点が高校にあったことを知らされました。微力ながら、教師として少しでもそれぞれの人生に関われたことを実感して感慨深いものがありました。
Q.3. 退職後はどのようなご予定ですか?
これからの残り少ない私の人生の予定表は、世界中や国内でご活躍・ご苦労なさっている卒業生にお会いしに行き、お話をお聞きしたいということです。アフターフォローみたいなものですね。
Q.4. ICU高校同窓会に向けて一言お願いします。
同窓生への一言は「ご連絡下さい」です。可能な範囲で世界中の卒業生を訪問させてもらいに行きたいと思っています。連絡は学校を通してくだされば何とかなると思います。
最後に、皆さまのご活躍とご健勝を祈念しております。またこの場をお借りして、他界された志賀先生のご冥福をお祈り申し上げます。