同窓会のみなさま
はじめまして。2010年4月に高校長として赴任してきた中村一郎です。
春学期、怒濤のように過ぎていきました。ICU高校とは何か?精いっぱい考えながら、ヨーロッパや校内での学校説明会の会場に立ちました。実態を何も知らない校長が、いったい何を語れるというのか。高校に集まってくる人々の多様性。永遠なるものに関わって生きようとするICU献学の理念。この二つが、ぼくの頭のなか、体のなかで、ぐるぐるまわっていました。そして、そのあいだずうっと、生徒諸君が口々に言う「学校が楽しい!」、この言葉が支えてくれました。
秋学期、暑い!体育の授業も外ではできない、こうして始まりました。学校祭、初日大雨。このあたりからです、新体育館がその圧倒的な存在感を見せつけだしたのは。体育祭、外はまた大雨。綱引き、大縄跳び、チアー・・・。生徒はもちろん全員、さらにランニングスペースから見下ろすたくさんのお母さんたち。
そして、いま。校長室の窓からは銀杏のあざやかな色が光ります。桜はもうずいぶん葉を落としてしまって。推薦、受験も現実の姿をまざまざと見せつけはじめて。ICU高校、そのほんとうの姿を、ぼくにもそっとおしえはじめてくれています。
みなさまがどうぞ、よきクリスマス、新年をお迎えになりますよう。
2010-11-26 記
中村一郎
1968年国際基督教大学卒。
1986年より同大語学科教員、2010年4月ICU高校長を兼任。